今回はMontblanczの「NOSTALGHIA」についてディスクレビューしていきたいと思う。

 彼らはTHE NOVEMBERS、Cigarettes After Sex、Cocteau Twinsなど国内外のシューゲイザー/ドリームポップ/ポストロックバンドに影響を受けた若手バンドであり、そんな彼らの記念すべき初作品となっている。


1.風

 幽玄な雰囲気を放つサステイン豊かなリードギターと、堅実なプレイでバンドを支えるリズム隊の存在感に心をつかまれる。

 ボーカルのささやくような優しい歌声もMontblanczの大きな持ち味となっており、楽曲のイメージを壊さないように包みこむようなボーカリゼーションに高いセンスを感じる。

 全体的に伸びやかで透明感を感じさせるサウンドには、シューゲイザーやドリームポップだけではなく、ポストロックからのアプローチを感じられるのもまた彼らの特徴の一つである。

2.Where is the mind

 「NOSTALGHIA」の中でも最もシューゲイザー、ドリームポップ色の強い楽曲ではないだろうか。この曲においてはバッキングギターも深めにリバーブがかけられており、音像全体を包み込むような広がりのあるサウンドを展開している。

 他の楽曲では動きが控えめなリズム隊も、この曲ではギター隊に負けず劣らず積極的に前に出るようなプレイが見受けられる。激しくもタイトなビートを紡ぎ出すドラムと、楽曲を盛り上げるようにしなやかにドライブするベースサウンドが大きな迫力を生み出している。

3.春

 印象的なジャケットの通り、天から薄く光を差すようなまばゆい音色のギターアルペジオから始まるイントロが耳に残る。

 ギターの素朴なコードストロークと、煌びやかで広がりのあるサウンドのリードギターのコントラストが色鮮やかであり、サウンドメイクに関してのセンスが光っている。

 楽曲の終わりにつれて穏やかなバンドサウンドからだんだんと盛り上がりを見せ、最終的に轟音サウンドへと変貌する様は圧巻であり、起承転結のしっかりとしたエンディングが作品の最後を鮮やかに飾っている。

【総評】

 初作品ながらも、彼らの優れた音楽的なセンスやバックグラウンドを確かに感じられるものとなっており、3曲約15分というボリュームながらも、壮大なサウンドスケープを描き切った完成度の高い作品であることは間違いない。

 現在各種サブスクリプションサービスで音源が聴けるようになっているので、是非チェックしてほしいと思う。高いセンスを持った彼らの今後の更なる活躍が非常に楽しみである。